2022-01-01から1年間の記事一覧
そして、2022年のベスト本を決めました。 (もうさすがに新しい本を読んで読み終わるというのはないだろうとおもいます)。 澤田典子「古代マケドニア王国史研究」東京大学出版会 橋場弦「古代ギリシアの民主政」岩波書店 木曽明子「弁論の世紀」京都大学学…
上半期と比べると本が読めたので、下半期は10冊 澤田典子「古代マケドニア王国史研究」東京大学出版会 橋場弦「古代ギリシアの民主政」岩波書店 木曽明子「弁論の世紀」京都大学学術出版会 大沼由布、徳永聡子(編)「旅するナラティヴ」知泉書館 周藤芳幸(…
人はその一生において様々な形で「旅」に関わることがあるものだと思います。実際に自分がどこかに移動するだけでなく、誰かが残した旅の記録を読むという事もあるでしょう。また、人が実際に動くということだけではなく、人生を旅になぞらえることもありま…
古代マケドニア王国の研究というと、アレクサンドロス大王の時代については多くの著作が見られますし、日本でも森谷先生の著作や澤田先生のちくまプリマー新書の一冊などが手に入ります。いっぽう、アレクサンドロス大王の父親であるフィリッポス2世について…
いよいよ今年も1ヶ月を切りました。 今月はこんな感じで本を読んでいます。 1番最後に読んだアジア人物史は面白く、下半期ベストに入れましたが感想をまとめるのが今年中は無理だったため、1月に感想を書きます(そういう本を年間ベストに入れるのもなんだか…
古代ギリシアの文化というと、アテナイで上演された悲劇や喜劇、プラトンやアリストテレスの哲学、そしてホメロスの叙事詩といったものはよくとりあげられます。しかし、当時のギリシア人たちの政治や社会生活に大きな影響を持つものとして弁論があげられま…
11月の読書箱のような感じです。 10月があまりにも忙しくまともに読め無かった、、、、。新規で読み切った本がほとんど無い。でも、今月は読みたい本が次々と出るからなあ。がんばろう。 疋田隆康「ケルトの世界」筑摩書房(ちくま新書):読了 木本好信「…
(本当は9月のお薦めにすべきだったのですが時間的に感想が間に合わず10月にしました) 時は1819年、イギリスのペンドルトン貿易会社の社長が海賊に襲撃されて死亡、社長の下で働いていた料理人は海賊団に連れ去られました。リーダーである、赤毛の女海賊団…
10月になりました。刊行予定を見ていると、来月に絶対買いたい本が出るが12100円か、、、、。気合いで買おう。 それはさておき、10月はこんな本を読んでいます。なお、10月に感想を最初に書く本は9月に読み終わったものだったりしますが。 呉兢(石見清裕訳…
古代ギリシア、特にアテナイで発展した民主政は平等な市民が順繰りに支配・被支配を経験するという点でかなりめずらしい体制のようです。一方、古代ギリシアの哲学者や著述家たちからかなり否定的な捉え方がされ、古代の文献を読める後世のエリート層に反民…
日本が植民地として組み込んだ朝鮮半島は日本に食糧を供給しており、朝鮮の米が日本の内地へと運ばれていたことなどはしばしば言及されることもあります。では、米以外のものはどうだったのか。植民地朝鮮の食料の生産−加工・流通−消費の流れが「帝国」日本…
アレクサンドロス大王の死後、大王麾下の武将たちの角逐を通じて征服地は分かれ、ヘレニズム世界が形成されていきました。諸将角逐のなか、一際目立つ存在がデメトリオス・ポリオルケテス(都市攻囲者)でしょう。巨大な攻城機を戦場に投入して大々的に攻め…
9月になりました。 気がつくともう秋、なんか今年は読書ペースがガタ落ちですが、これからどうなるか。 今月はこんな感じで本を読んでいます。 今回、読了ということで載せたデメトリオス攻城王の伝記的研究書は2年くらいかかったような気がします。ちまちま…
西洋古代史研究というと、古代ギリシア史・古代ローマ史とすぐに上がる人が多いと思います。そして一つの歴史的世界として「古代地中海世界」というまとめがなされることもあります。しかし、「古代地中海世界」というとき、ギリシアとローマだけで事足りる…
19世紀後半から20世紀前半、西洋諸国による各地の探検活動が各地で行われ、中央アジアなどユーラシア内陸部においてはヘディン、スタインの探検活動が有名です。さまよえる湖ことロプノール、各地の仏教遺跡など、非常に興味深い事柄が彼らの探検を通じて知…
山川出版社から出ている「世界史リブレット人」も大部多くの巻が刊行されてきました。今回はアメリカ合衆国初代大統領ワシントンです。合衆国初代大統領、アメリカのお札にも肖像画が載っているということで、その名前や顔は見たことがある人が多いと思いま…
さて、前のブログ(teacup)がサービスを終了してしまったため、本日より此方が表の方で使われるようになります。 8月はこんな感じで本を読んでいます。 周藤芳幸(編)「古代地中海世界と文化的記憶」山川出版社:読了 伊藤貞夫「古代ギリシアの歴史」講談社(…
山川出版社の「歴史の転換期」シリーズも残すところあとわずかとなってきました。今回出たのは1919年、現代という未だ人によって評価や判断の基準が定まらない時期をあつかいます。 「現代とは何か」といわれたときに、これだという明確な指標や定義という者…
イギリス東インド会社というと、ヨーロッパの重商主義政策の展開や、イギリスによるインド植民地化の話でかならず登場する勢力です。イギリス東インド会社がインドに進出を図ったのは17世紀、インドはムガル帝国のもとで繁栄を極めていました。それが、18世…
7月になりましたが、8月でteacupがサービスを終えてしまうので、はてなブログに移転してきました。現在このような本を読んでいます。 ウィリアム・ダルリンプル「略奪の帝国 東インド会社の興亡(上・下)」河出書房新社:読了 木村靖二(編)「1919年 現代…
上半期はぜんぜん本が読めておりません。それはこのブログの記事の少なさにも出ています。というわけで、上半期ベストは6冊だけになりました。上下巻とか3巻本とかありますが、それは1つということで。 前田弘毅「アッバース1世」山川出版社デイヴィド・アブ…
中央公論新社の『物語○○の歴史』シリーズは、読みやすくなかなか興味深い国々や地域が扱われており、多くの場合は一定のクオリティは備えているものが多いと思います(たまに一寸内容のバランスがどうなのかとか思うところもあるのですが、大体の傾向の話で…
6月になりました。5月はあまり読めず、またなんとなく感想を書こうという気が起きず、そこまで意欲がでない感じだったため、感想なしで。なんとなく調子が出ないですが果たしてどうなるか。上半期ベストはずいぶん少なくなります。 熊倉潤「新教ウイグル自治…
5月になりました。今年はなんか忙しくあまり本が読めていませんが、はたしてどうなるか。 リン・ハント「フランス革命の政治文化」筑摩書房(ちくま学芸文庫):読了マイケル・クリコフスキ「後期ローマ帝国史I 帝国の勝利」白水舎:読了弘末雅士「海の東南…
現代日本のゲームやアニメ、漫画、小説など、ポップカルチャーの世界において人気のある歴史上の人物というと、ジャンヌ・ダルクはそのなかでも相当上位にランクする人物だと思われます。神の声を聞いたとして故郷を出発し、オルレアン包囲線を戦い抜き、シ…
021年春に刊行が開始された「隷王戦記」、第3巻がようやく出ました。第3巻ですが、第2巻終了時点から時は少し経過したところから物語はスタートします。「戦の民」をまとめあげ、ついに「隷王」の地位に叙されたカイエン、それに従うカイエンの部下達やとも…
新年度を迎えましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。こんな感じで4月は本を読んでいます。 森山光太郎「隷王戦記3 エルジャムカの神判」早川書房(ハヤカワ文庫):読了プラトン「国家」岩波書店(岩波文庫):読了
「柔術」というと、柔道の原型であるとか、20世紀末より注目を集めたブラジリアン柔術といったイメージが強いかと思われます。嘉納治五郎が講道館柔道を作り上げ、それを日本から世界へ普及させようとしていた20世紀初頭、アメリカにおいて柔術が一大ブーム…
3月はこのような感じで本を読んでいます。ただ、3月は忙しいので、やはり読書ペースは大幅に落ちることが想定されます。 藪耕太郎「柔術狂時代」朝日新聞出版(朝日選書):読了キアラン・カーソン「琥珀取り」東京創元社:読了長谷川岳男・村田菜々子(監修…
2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は源頼朝による鎌倉幕府設立と、鎌倉幕府初期の抗争や承久の乱で勝利者となった北条義時を扱った物語です。そこには鎌倉時代初期の有力武士たちも数多く登場しますが、その一人として畠山重忠という武士がいます。知勇兼…