まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

黒田基樹「今川のおんな家長 寿桂尼」平凡社

2017年の大河ドラマ「おんな城主直虎」において、主人公の直虎以上にインパクトを与えた人物をあげるとすると、今川家を支えた寿桂尼が挙げられるでしょうか。今川家を最後まで支え続け、主人公の最大の理解者でもありかつ厳しく恐ろしい一面を見せつけると…

ビアンカ・ピッツォルノ(中山エツコ訳)「ミシンの見る夢」河出書房新社

今では服は店で買って着るものと思う人が多いですが、布地を縫って服に仕立てることを仕事とする人たちがかつていました。そうした仕事に従事する女性は、住み込みであれ、通いであれ色々な家の仕事を引き受け、それと共にそれぞれの家の人たちともいろいろ…

森山光太郎「隷王戦記1 フルースィーヤの血盟」早川書房(ハヤカワ文庫)

ある歴史的世界をモデルにしたようなファンタジー、戦記ものというのは色々と存在しています。「十二国記」、「アルスラーン戦記」など、読んだことがある方も多いでしょう。そういった有名どころ以外にも数多くの作品が出され、後々にまで読み継がれるもの…

佐藤信弥「戦争の中国古代史」講談社(講談社現代新書)

現在連載中の「キングダム」をはじめとして中国古代史を舞台とした漫画や小説は数多くあり、そこでも戦争はかなり扱われています。数多くの戦争が中国の歴史の中でどのような意味を持つのか、戦争が中国に与えた影響は何か、その辺りはいろいろな本や論文で…

アレクサンドラ・ダヴィッド=ネール/アプル・ユンテン(富樫瓔子訳)「ケサル王物語」岩波書店(岩波文庫)

ある時、チベットにて信心深い母親と現世の富貴に強い関心を抱く娘がいました。母親が突然インドへ巡礼の旅に出てしまい、仏陀の教えに従い幸せな生涯を送り、娘の方は度重なる不幸に見舞われる中、仏陀の教えに対し強い憎しみの念を抱きながら死んでいきま…

小島庸平「サラ金の歴史」中央公論新社(中公新書)

(本書は2月に読んだ本ですが、感想をまとめるのが遅くなり3月に投稿しています) かつて、宇宙人の格好をした人たちが妙な歌を歌っていたり、チワワ犬の潤んだ瞳に見つめられて困る人が出てきたり、なぜかレオタードでダンスを踊る人たちが出てくるテレビ…

清水稔「曽國藩」山川出版社(世界史リブレット人)

世界史リブレット人の最新刊は太平天国の鎮圧、洋務運動で知られる曽国藩です。本書は評価が二分するところがある彼について、彼がどのような家庭や社会で育ち、政治の世界や文化面でどのような活動を見せたのかに触れ、太平天国の乱に対し湘軍を編成して激…

3月の読書

1月、2月は正直なところ読書が全然進まなかったです。手を出した本画家なりハードだったというのもあるのですが、それ以上に忙しいと全然集中力が続かないといいますかなんといいますか。行き帰りの電車で読んでいても、内容があまり記憶に残らない状態でし…