まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

福山佑子「ダムナティオ・メモリアエ」岩波書店

古代ローマ社会では、自らの業績を誇示するモニュメントや生前の業績を刻んだ墓碑、一族の祖先たちの蝋製肖像など様々な形で過去についてのメモリア(記録、記憶といったもの)が公に残されてきました。一方で、悪しき者とされたものについては、のちの研究…

上半期ベスト

6月もまだそれなりに残っていますが、仕事で色々と忙しく落ち着いて本を読めるか微妙な状況です。なので、もう上半期ベストを選んでみることにしました。 林美希「唐代前期北衙禁軍研究」汲古書院平田陽一郎「隋唐帝国形成期における軍事と外交」汲古書院小…

マデリン・ミラー(野沢佳織訳)「キルケ」作品社

ギリシアの叙事詩「オデュッセイア」に、キルケという魔女が登場します。オデュッセウスの部下たちに酒を飲ませて彼らを豚に変えたり、オデュッセウスには魔法が効かず、結局部下を人間に戻したことや、オデュッセウスが一年キルケのもとに滞在して一子テレ…

プルタルコス(城江良和訳)「英雄伝6」京都大学学術出版会(西洋古典叢書)

京都大学学術出版会会の西洋古典叢書からプルタルコス「英雄伝」の翻訳が出始めてから大部立ちました。途中で訳者の柳沼重剛先生がなくなられ、訳者の交替がありましたが無事6巻で完結と言うことになりました。最終刊の6巻では、デメトリオス・ポリオルケテ…

6月の読書

6月に入りました。こんな本を読んでいます。福山佑子「ダムナティオ・メモリアエ」岩波書店:読了(再読です)マデリン・ミラー「キルケ」作品社:読了デイヴィッド・W.アンソニー「馬、車輪、言語(下)」筑摩書房:読了デイヴィッド・W.アンソニー「馬、車…