まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョン・ケリー(野中邦子訳)「黒死病 ペストの中世史」中央公論新社

中世ヨーロッパをおそった「黒死病」について、それが内陸アジアで始まり、一方は中国へ、もう一方は草原地帯を西へ進み、クリミア半島のカッファからジェ ノヴァのガレー船を通じて広まり、シチリア島、イタリア、そして仏や英、中欧にひろがりました。本書…

アレックス・カピュ(浅井昌子訳)「アフリカで一番美しい船」ランダムハウス講談社

第1次世界大戦前の1913年、北ドイツの造船所からリューター、ヴェント、テルマンという3人の技師が、タンガニーカ湖で内陸アフリカでもっとも大きな 船を造るために、ドイツ領東アフリカに派遣されます。正確に言うと、ドイツで造った蒸気船「ゲッツェン」を…

小松久男「イブラヒム、日本への旅」刀水書房(世界史の鏡)

この本の主人公イブラヒムはパン・イスラム主義を唱えた知識人・ジャーナリストです。メッカやメディナに巡礼し、思想家アフガーニーとも交流を持ち、ロシアの圧政に抗議して自ら雑誌を創刊したりと、とにかく行動力のある人物です。 そんな彼がユーラシア大…

あけましておめでとうございます。

果たしてどれだけの人が見ているのか分かりませんが、今年もよろしくお願いします。 前年から持ち越した本が4冊ありますが、1月の読書はそれを片付けるところからスタートしようと思います。一冊は結構時間がかかりそうですが、他の本は楽に行けると良いなあ…

塩川伸明「民族とネイション ナショナリズムという難問」岩波書店(岩波新書)

先月読み終わった本であり、その時点で感想を書くべきだったのですが、読み終わった時期が年末だったため、新年にずれ込んでしまいました。 それはさておき、冷戦終結から今に至るまで世界各地で民族紛争は頻発し、時として「民族浄化」と呼ばれる事態が発生…

1月の読書

2009年1月の読書は、前年末から持ち越した分が多くあるので、そこからスタートです。 ドミニク・ブリケル「エトルリア人 ローマの先住民族」白水社(文庫クセジュ):読了 スコット・フィッツジェラルド「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」角川パブリッシン…