まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

エリック・ジェイガー(栗木さつき訳)「最後の決闘裁判」早川書房(ハヤカワ文庫NF)

ヨーロッパを舞台とした物語では、「ローエングリン」序盤ではエルザが身の潔白を証明してくれる騎士が現れると言うと実際に彼女のために戦う騎士が登場し、スコット「アイヴァンホー」ではテンプル騎士団員誘惑の罪状で裁判で死刑判決をうけたユダヤ人レベ…

金原保夫「トラキアの考古学」同成社

古代ギリシア・マケドニアの歴史をあつかっていると、トラキアおよびトラキア人という用語はよく登場します。現在のブルガリアを中心に勢力を持っていた集団ですが、彼らについて日本語でまとまって読める文献というのはこれまで少なく、あるとすると展覧会…

森三樹三郎「梁の武帝 仏教王朝の悲劇」法蔵館(法蔵館文庫)

中国の南北朝時代の歴史を学ぶとき、南朝というと東晋以下宋斉梁陳という王朝が続き、貴族たちの力が強いということや貴族が担い手となる六朝文化といったことを習います。そのなかで、梁の武帝というと世界史用語的にはまず出てこない人物ですが(『文選』…

9月の読書

9月になりました。あっという間ですね。9月はこんな本を読んでいます。 阿部拓児「アケメネス朝ペルシア」中央公論新社(中公新書):読了伊藤俊一「荘園」中央公論新社(中公新書):読了エリック・ジェイガー「最後の決闘裁判」早川書房(ハヤカワ文庫NF)…