まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ジュリー・オオツカ(岩本正恵・小竹由美子訳)「屋根裏の仏さま」新潮社

かつて、日本からアメリカに渡り、アメリカに住む日本人のもとに嫁いだ女性たちがいました。夫となる人の写真、そして自分はうまくやっているという情報の みを頼りにアメリカに嫁いでいった彼女たちは、事実上だまされるような形でアメリカへ連れてこられ、…

ワレリイ・ブリューソフ(草鹿外吉訳)「南十字星共和国」白水社

ソヴィエト政権が樹立する前、帝政末期のロシアにおいて流行したロシア象徴主義という文化の潮流があります。象徴主義といっても、どういうものなのか、よ くわからないという人もいるでしょうし、わたしも少し調べた程度なのでちゃんと理解しているかという…

良知力「青きドナウの乱痴気 ウィーン1848年」平凡社(平凡社ライブラリー)

1848年はフランス二月革命をきっかけに、ドイツ三月革命、イタリア統一を目指した活動、ポーランドやハンガリーの動きなど、ヨーロッパ激動の年でした。「諸国民の春」という単語を目にしたことがある人もいるかと思います。 この時の革命について、教科書的…

ウンベルト・エーコ(橋本勝雄訳)「プラハの墓地」東京創元社

「シオン賢者の議定書(プロトコール)」という書物があります。ユダヤ人が世界征服を目論むという内容をあつかい、ナチスの蛮行の拠り所となったとも言わ れる本です。現在はこの本は偽書ということで一般的な評価はできあがっていますが、なおもこれをもと…

3月の読書

3月はこういう本を読みました。ウンベルト・エーコ「プラハの墓地」が出た直後にエーコ死去のニュースを聞いた時には驚きましたが。 また、書店にて「西洋古典学研究」の最新刊を読んでいると、Hugh BowdenのAlexander the Great:a very short introduction…