まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

柿沼陽平「古代中国の24時間」中央公論新社(中公新書)

歴史の本というと、政治や軍事に関する出来事の歴史であったり、グローバルヒストリーのような大まかな構造をつかむようなものであったり、そのような本がある一方で、日々の生活の様子を綴ったようなかなり細かい事柄を扱った本もあります。しかしそういう…

籾山明「増補版 漢帝国と辺境社会」志学社

漢帝国と匈奴の抗争の最前線となったエリアから、漢代の木簡が多数出土しています。そこには長城付近というフロンティアで暮らす人々の姿がうかがい知れる内容が記録されていました。そうした木簡や遺跡をもとにして、漢帝国の辺境支配の様子を描き出してい…

エドワード・J・ワッツ(中西恭子訳)「ヒュパティア 後期ローマ帝国の女性知識人」白水社

キリスト教が公認、やがて国教となっていく流れの中、伝統的多神教の信仰もなお続けられている後期ローマ帝国のアレクサンドリア。そこで優れた数学者・哲学者として活躍し、当時の政界や宗教界の要人となるような優れた弟子を輩出した女性がいました。そし…

篠原道法「古代アテナイ社会と外国人」関西学院大学出版会

古代ギリシアのポリスというと、世界史では大抵アテナイの事例がとりあげられます。アテナイというとポリスの可能性を極限まで実現した徹底した直接民主政ですとか、市民間の平等、奴隷制に立脚した社会、そして市民団の閉鎖性といったことがしばしば取り上…

11月の読書

11月になりました。ここのところ多忙につき読書ペースは大幅に落ちています。はてさてどうなるやら。それはさておき、こんな本を読んでいます。柿沼陽平「古代中国の24時間」中央公論新社(中公新書):読了籾山明「漢帝国と辺境社会」志学社:読了エドワード…