まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ヘンリク・シェンキェヴィチ(森田草平訳)「十字軍の騎士」改造社

いまでは何度も映画化された「クォ・ヴァディス」で有名なシェンキェヴィチですが、彼はポーランドの歴史を題材とした小説も数多く残しています。そしていまでは「クォ・ヴァディス」くらいしか本屋では見かけませんが、日本でも他の作品の翻訳が出されてい…

佐藤猛「百年戦争 中世ヨーロッパ最後の戦い」中央公論新社(中公新書)

百年戦争というと、ジャンヌ・ダルクの存在もあって、その名を知る人も多い中世ヨーロッパ史の出来事かと思います。ただ、名前だけは知っていても、どんな戦争だったのかと言われると、なんだったかなという人も多そうです。高校世界史レベルだと、大陸のイ…

古松崇志「草原の制覇 大モンゴルまで」岩波書店(岩波新書)

岩波新書からシリーズとして中国の歴史が出始めています。第1巻は古代をちゅうしんに唐の途中まで、第2巻は江南の歴史ということで南宋あたりまで扱います。そして第3巻では草原の騎馬遊牧民の世界の歴史を扱い、モンゴルによるユーラシア広域支配、中国では…

馬部隆弘「椿井文書 日本最大級の偽文書」中央公論新社(中公新書)

アレクサンドロス大王研究でも大王が死ぬ数日前の状況を伝える、エウメネスがのこした「王室日誌」が真作か偽作かをめぐって論争があるように、ある史料の真偽をめぐる問題が発生することもあります。歴史研究において史料として用いる文献や文書、絵画や発…

ボレスワフ・プルス(関口時正訳)「人形」未知谷

世界史で必ず出てくるロシア=トルコ戦争(1877~78)の時期、バルカン半島の方に赴き、莫大な財産を築いて帰ってきたひとりの男がいました。その男、ヴォクルスキは零落した家の生まれで、ポーランドがロシアに対し蜂起した際にそれに参加し、シベリア流刑…

3月の読書

3月になりました。2月は結局これは絶対勧めたいと思う本は特になく(面白いとは思っても、そこまで惹かれる本ではなかったというかなんというか)、感想は一本もアップしませんでした。果たして3月はどうなりますか。エイドリアン・ゴールズワーシー「古代ロ…