まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

2019-01-01から1年間の記事一覧

5月の読書

五月になりました。元号が変わりますが、かと言って世の中のいろいろなことが変わるわけでなく、また通常営業にもどるわけですが。改元によって何もなかったことにはならないですからねえ、、、、。 それはさておき、五月はこのような本を読んでいます。 ヤ…

鈴木恒之「スカルノ」山川出版社(世界史リブレット人)

スカルノというと、第二次世界大戦前から民族運動の主要人物として登場し、インドネシア独立の中心メンバーであり、独立後もインドネシアの大統領として国をまとめ、国際社会では「第三世界」「非同盟諸国」のリーダーとして振る舞った人物として世界史では…

川島重成・古澤ゆう子・小林薫(編)「ホメロス『イリアス』への招待」ピナケス出版

ホメロスの叙事詩「イリアス」「オデュッセイア」というと古代ギリシア文学の代表作として挙げられるだけでなく、世界文学全集にも収録されていたり、読んでおくべき海外文学として紹介されることも非常に多い作品です。日本語訳も複数存在しますし、それで…

4月の読書

4月になりました。新元号が「令和」、出典は万葉集ということのようです。 「令」はLなのかRなのか、どっちの音なんでしょうね。 そして、3月以降に更新した記事が、検索で全く引っかからないのですが、一体何が起きているのでしょうか?いままではちゃんと…

小松久男(編)「1905年 革命のうねりと連帯の夢」山川出版社(歴史の転換期)

山川出版社の「歴史の転換期」シリーズも6冊目、半分を超えました。今回の配本は1905年、日露戦争の終結、「血の日曜日」事件をきっかけにしたロシア第一革命の始まり、ベンガル分割令、イラン立憲革命の始まりなど、世界史的にも大きな出来事が次々に起きた…

丹羽宣子「〈僧侶らしさ〉と〈女性らしさ〉の宗教社会学」晃洋書房

宗教は人々の生活や考え方に対して影響を及ぼしてきましたが、それは男らしさ、女らしさといったものを規定する際にもみられます。性別による役割や序列を規定したり、正当化するさいに宗教が大きな影響を及ぼしてきたことは忘れてはいけないことでしょう。…

パオロ・コニェッティ(関口英子訳)「帰れない山」新潮社

主人公ピエトロはミラノ育ち。毎年夏は母親が気に入ったことをきっかけにもつことになったモンテローザにある別荘へ家族で行き、そこで過ごします。そんな彼が現地で出会ったのが親戚のもとで牛飼いをする同い年のブルーノ。二人はやがて心を通わせるように…

小池登・佐藤昇・木原志乃(編著)「『英雄伝』の挑戦」京都大学学術出版会

「ヒストリエ」の主人公エウメネスの主要な伝記史料のひとつはプルタルコス「英雄伝」に書かれたエウメエネス伝です。古代ギリシア・ローマ世界で活躍した人物2人を対比するかたちでまとめあげた「英雄伝」は日本語も含めた諸言語で訳され、多くの人々に読…

3月の読書

3月になりました。気がつけばもう1年のうち6分の1が過ぎてしまったんですね。 で、3月は以下のような本を読んでいます。 小松久男(編)「1905年」山川出版社(歴史の転換期):読了 丹羽宣子「〈僧侶らしさ〉と〈女性らしさ〉の宗教社会学」晃洋書房:…

張愛玲(濱田麻矢訳)「中国が愛を知ったころ」岩波書店

「傾城の恋」など、日本占領下の上海に突如現れ多くの作品を残した張愛玲は現代中国を代表する作家の1人であり、多くのファンがいる作家でもあります。日本占領下の上海で活躍し、その後は香港、アメリカへと渡っていった彼女の作品は台湾、香港で人気を博し…

吉川忠夫「顔真卿伝」法藏館

顔真卿というと、世界史の授業で唐の歴史を扱うと、書家として文化史分野で必ず名前があがる人物です。顔真卿といえば書道、ということで、彼の活動の中で書に関することだけがピックアップされ、あとは安史の乱に際し、義勇兵を募って戦ったということが軽…

今井昭夫「ファン・ボイ・チャウ」山川出版社(世界史リブレット人)

世界史リブレット人の新刊はファン・ボイ・チャウです。東南アジアの民族運動の歴史を勉強すると、ファン・ボイ・チャウの東遊運動というものは必ず出てきます。日露戦争後の日本にベトナムからの留学生をどんどん送り込んで学ばせ、それにより民族運動を担…

2月の読書

2月になりました。2月はこのような本を読んでいます。 エリオットの「ミドルマーチ」、面白いのですが次の感が出るのが今年の秋、そして全4巻くらいになるみたいなので、全部出てから感想を書こうかどうしようか思案中です。 櫻井康人「図説十字軍」河出書…

マーガレット・ミッチェル(鴻巣友季子訳)「風と共に去りぬ(全5巻)」新潮社(新潮文庫)

アメリカ南部で綿花を栽培する大農園〈タラ〉に生まれたスカーレット・オハラは16歳。若さと美しさと激しい気性をもち、あまたの男に言い寄られるように仕向ける術をもっています。しかし、彼女が出会ったその日から想いを寄せるのはアシュリひとり。そんな…

ヒストリエ」を面白く読むためのヒント本いろいろ

現在、アフタヌーンで連載中の岩明均「ヒストリエ」、かなりスローなペースではありますが話自体は進んでいます。もっとも昨年秋以降、単行本作業のため休載という状態ですが。いずれにせよ11巻が出ることには間違いないので、それを待ちたいと思います(連…

エリザベス・ドネリー・カーニー(森谷公俊訳)「アルシノエ二世 ヘレニズム時代の王族女性と結婚」白水社

マケドニア史やヘレニズム時代に関する本は日本ではそれほど多く出されてはいませんが、英語文献など海外では結構な数の書籍が出されています。そうは言っても、やはりアレクサンドロス大王関連が多いようにも感じられますが、大王以前の王国を扱ったり、大…

1月の読書

2019年を迎えました。1月はこのような本を読んでいます。 マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ5」新潮社(新潮文庫):読了 マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ4」新潮社(新潮文庫):読了 マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ3」新潮社…