まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

今年のベスト

そして、こちらで今年のベスト本約10冊をまとめようと思います。

正直言って難しいですが10冊に絞ります。

泣く泣く削ったバート・ホールの火器の誕生の本とか、ローラン・ビネやキム・イファン、ニー・ヴォ、マギー・オファーレルの小説、諫早先生の馬の本,井上先生のローマ軍の本等々、削るのは惜しいと思った本もありますが、あえてこれにします。来年も面白い本が色々読めることを願っております。

 

削った本の中では小説が多くなりましたが、小説でない本でおすすめしたいものが多かったこともあり、「ジュリアン・バトラーの真実の生涯」をピックアップしました。それ以外の本も面白かったので、上半期ベストと下半期ベストも見てもらえると嬉しいです。

また。私の志向としてディオドロスの訳と註ははずせません。また、「古代ギリシアと商業ネットワーク」も自分の興味関心から、この辺りの本をよんでみてほしいとおもっていれています。

そして、今回のベストに隋唐帝国関係が多いのですが、これは面白い本に結構当たったためです。中公新書の2冊は新しい成果や視点を盛り込みつつ読みやすくまとまっており、隋唐の歴史についての見取り図を得るのにちょうど良いと思います。そして専門書の2冊はこれから先のこの分野で非常に重要な本になりそうな気がします(新見先生の本は唐の後期の捉え方に、西田先生の本は「羈縻政策」に関して大きな転換を迫るものだとおもいます)。

その他については、オットー大帝に関して新書レベルで読んでおいた方が良いものがでたのはありがたいです。イタリアの子供向けの歴史学の入門書は日本では大人も読んだ方がいい事柄がわかりやすくまとめられています。そして、ブッツァーティのジロ・ディタリアの本は新聞のスポーツ記事もこの人にかかるとこうなるのかという点で非常に面白いです。

 

ディオドロス「アレクサンドロス大王の歴史 」河出書房新社

杉本陽奈子「古代ギリシアと商業ネットワーク 」京都大学学術出版会

新見まどか「唐帝国の滅亡と東部ユーラシア 」思文閣出版

森部豊「唐  東ユーラシアの大帝国」中央公論新社中公新書

ピエルドメニコ・パッカラリオ、フェデリーコ・タッディア「だれが歴史を書いているの?」太郎次郎社エディタス

ディーノ・ブッツァーティブッツァーティのジロ帯同記」未知谷

三佐川亮宏「オットー大帝」中央公論新社

平田陽一郎「隋 「流星王朝」の光芒」中央公論新社

西田祐子「唐帝国の統治体制と「羈縻」」山川出版社

川本直「ジュリアン・バトラーの真実の生涯」河出書房新社