まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

2010-01-01から1年間の記事一覧

デモステネス(木曽明子訳)「弁論集2」京都大学学術出版会

紀元前4世紀、アテネにおいて活躍した政治家にして弁論家のデモステネスは、マケドニア王フィリッポス2世を攻撃し、反マケドニア的政策を推進し、親マケ ドニアの弁論家アイスキネスと対立しました。かつて、マケドニアに派遣された同じ外交使節団のメンバー…

ジャウメ1世(尾崎明夫、ビセンテ・バイダル訳)「征服王ジャウメ一世勲功録 レコンキスタ軍記を読む

13世紀のイベリア半島は、レコンキスタが進行し、キリスト教勢力が優位に立つようになった時期であり、実質的にはレコンキスタはこの時点で完結したと考 える人もいます。しかし、当時のイベリア半島において「スペイン」と呼ばれる統一国家は存在せず、カス…

3月の読書

2月は、随分外国文学を読んだ気がします。お薦め記事をあまり書いていませんが、その辺は気にしないで下さい。で、3月ですが、このような形で読んでいます。 ジム・ホワイト「マンチェスター・ユナイテッド クロニクル」:読了 デニス・ジョンソン「煙の樹」…

本郷和人「天皇の思想 戦う貴族北畠親房の思惑」山川出版社

南北朝時代を生きた貴族北畠親房について詳しく扱った本かと思いきや、実は親房は話のつかみと結論部分でのみ登場します。では、何が中心なのかというと、 鎌倉時代の朝廷が一体何をしていたのか、どのような状態にあったのかと言うことです(実はこの辺のこ…

2月の読書

2月はこんな感じで本を読んでいます。 クプリーン「ルイブニコフ二等大尉」群像社:読了 ナム・リー「ボート」新潮社(クレストブックス):読了 パゾリーニ「生命ある若者」講談社(文芸文庫):読了 デモステネス「弁論集2」京都大学学術出版会:読書中 コ…

クレア・キーガン「青い野を歩く」白水社(エクス・リブリス)

白水社から刊行されている「エクス・リブリス」シリーズは、なかなか面白い作品が多いのですが、アイルランドの若手作家の手になるこの短編集も期待に違わぬ面白い本でした。 過去から続く(あるいは過去にあった)何かが確実に終わりを迎え、そのことからく…

ミロラド・パヴィチ「ハザール事典(男性版・女性版)

かつて中央アジアに実在し、忽然と姿を消したハザールという民族がいました。彼らはユダヤ教を信仰した数少ない民族ですが、本書はハザールがキリスト教、イスラム教、ユダヤ教のどれを受け入れるのかをめぐって論争があり、それぞれの当事者がまとめた 文章…

1月の読書

現在、このような本を読んでいます。もうそろそろ読み終わる本もあれば、まだまだかかる物もあります。しかし、図書館で借りて、期限が迫っているにもかかわらず全然進んでいないのはどうなんだか。 コーマック・マッカーシー「ブラッド・メリディアン」早川…