まずはこの辺は読んでみよう

しがない読書感想ブログです。teacupが終了したため移転することと相成りました。

ヤマザキマリ「テルマエ・ロマエ」(2巻)、エンターブレイン

昨年の秋に突如登場し、各方面で話題となり、いつの間にか何かの賞まで取ってしまった「テルマエ・ロマエ」の第2巻です。1巻目が出たときに、このような展開になることを予想した人が果たしてどれだけいたでしょうか。

話の展開は1巻同様、ハドリアヌス帝治下のローマ帝国の一技師ルシウスが、何かしらの問題を抱えているときに、“風呂”を媒介として現代日本にタイムス リップして、そこで様々な物に触れ、それを古代ローマで可能な限り応用していこうとするという基本パターンがあります。ただし、第2巻の一番最初の話に関 しては、普通の風呂とは一寸違うような感じですが。

1巻の終わりで、果たしてルシウス家はどうなるのかと心配された方もいたと思いますが、結局、まあ、そうなってしまったのか、と言うところですね。1巻で は、タイムスリップして遭遇した「平たい顔族(日本人のことです)」の風呂に大まじめに感心し、ローマでもそれを再現しようとしてきたルシウスですが。2 巻目になると単純な風呂の話だけではなく、風呂にまつわるマナーとかにも触れられていたり、風呂屋の経営の方にも話が進んだりと、段々範囲が広がっている ような気がします。

1巻目を読んだとき、面白いんだけど果たしてネタが続くんだろうかと少し心配になりましたが、まだまだ我々の知らない風呂文化、水にまつわる文化はあるん だろうな。ただ、2巻目の一番最初の話(どうやら連載化されて一番最初らしいです)で、古代ローマと日本の性器信仰の辺りで話を作ったときには、いきなり ハードルをあげたかのような展開に周りから色々言われたらしいですが、まあ、それもぎりぎり“風呂文化”にはいるのかなという感じですね。序盤の展開か ら、一瞬、風呂は風呂でも違うところにいってしまうのかと思いましたが…。

それはさておき、ルシウスに残された道はひたすら変わった風呂を作り、色々なアイデアを出す、仕事人間としての道しかないのでしょうか。最後の方では、なにやら不穏な気配も漂っていましたが、次の展開がどうなるのか気になるところです。